2012-12-28

「IKTTカレンダー2013」発売中です

おまたせしました。「IKTTカレンダー2013」ができあがりました。価格は1000円、A5判(上下に広げ、A4判サイズで使用)という仕様はこれまでと変わりません。
 今回のカレンダーでは、IKTTで使用している染め材(ココナツ、プロフー、藍、ベニノキ、インディアン・アーモンド、ラック)と、それらで染めた布や糸を紹介しています。

 ご希望の方は、information@iktt.orgまでお問い合わせください〔@を半角に変換してご送信ください〕。関西では、池田のカフェギャラリーぷてあでの取り扱いをお願いしています。

2012-12-01

JBpressで森本さんの活動が紹介されています

日本ビジネスプレスのWeb経済メディア「JBpress」(2012年12月1日付)で、「日本人がカンボジアに作ったユートピア」と題して、森本さんの活動が紹介されています。

2012-11-25

10月25日付の産経新聞で、森本さんの活動と法然院での展示会が紹介されていました

10月25日付の産経新聞で、森本さんのカンボジアでの活動と、法然院での展示会が紹介されていました。法然院の会場にいらっしゃった何人かの方からうかがいました。

2012-11-20

「IKTTカレンダー2013」制作中です

 IKTT Japan では、2006年に IKTTカレンダーの制作をはじめました。IKTT の活動を紹介しつつ、なおかつ販売収益によってIKTTの活動支援となるツールはないものかと考えた結果、カレンダーの制作・販売に取り組むことにしたのです。
 IKTT のシルクをお求めいただいた方のなかには、インターネットやメールをなさらない方もいらっしゃいます。シエムリアップの工房や「伝統の森」をまだ訪れたことがなく、森本さんのtwitterやfecebookをフォローしていない方や、この IKTT Japan News にアクセスされていない方たちに、カレンダーという印刷物で、IKTT の絣布や「伝統の森」の様子などをご紹介することもでき、またこのカレンダーをきっかけにして、IKTT の活動に興味を持たれる方もいるのではないかと考えてのことです。
 2013年のカレンダーでは、IKTTで使用している染め材(ココナツ、プロフー、藍、ベニノキ、インディアン・アーモンド、ラック)と、それらで染めた布や糸を取り上げました。この「IKTTカレンダー2013」は、11月下旬には完成予定です(予価1,000円)。
 都内では、高円寺の茶房・高円寺書林、西荻窪の信愛書店さんなどに取り扱いをお願いする予定です。関西では、池田のカフェギャラリーぷてあでの取り扱いをお願いしています。また、11月22日~24日に京都・法然院で開催される展示報告会でも販売いたします。
 上記の取り扱い場所でお求めになれない方は、information@iktt.org までお問い合わせください〔@を半角に変換してご送信ください〕。

2012-11-18

IKTTのシルク、Found MUJI青山デビュー

 「シルク天然染」として、IKTTのシルクハンカチとレインボーそしてクロマーが、「Found MUJI 青山(無印良品青山店)」に登場しました。
 取り扱い数は、まだそれほど多くないそうですが、お近くの方、のぞいてみてください。

2012-11-09

11月22-24日、京都・法然院での展示会・報告会のご案内

 恒例の、京都の法然院での展示会・報告会のスケジュールが決まりました。今年は11月22日(木)から24日(土)の3日間です。現地報告会は、23日(金/祝)の午後1時からの予定です。

※今回、森本さんの一時帰国がかなわなくなったため、報告会は、IKTT Japanの西川が行ないます。IKTT設立から現在までの歩みをふりかえりつつ、あらたに始まった無印良品との「天然染プロジェクト」立ち上げまでを語ります。

【とき】
11月22日(木)から24日(土)まで(展示と販売)
10時~16時(ただし、初日の22日は12時から)
※現地報告会は、23日(金/祝)の午後1時より。

 《IKTT・現地からの報告2012》
  IKTT(クメール伝統織物研究所)17年間の歩みと、あらたな時代に向けて


【ところ】
法然院
京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町(TEL:075-771-2420)
(京都駅から市バス5番 錦林車庫行 浄土寺下車 徒歩10分)

※この時期の京都は、紅葉の最盛期でもあり、市内の道路事情はたいへん混雑しております。十分な余裕をもって、お越しください。


より大きな地図で 法然院(入口) を表示

2012-10-25

石川武志写真展「水俣ノート 1971~2012」が、銀座ニコンサロンで始まりました

 銀座ニコンサロンで、石川武志写真展「水俣ノート1971~2012」が開催中です(会期は11月6日まで)。

 名称:石川武志写真展「水俣ノート 1971~2012」
 会場:銀座ニコンサロン
 住所:東京都中央区銀座7-10-1ストラータ ギンザ1・2階
 会期:2012年10月24日~2012年11月6日
 時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
 休館:会期中無休

 石川武志さんは、これまでに何度もカンボジアを訪れ、雑誌「マリクレール」「週刊朝日」やアメリカン・エクスプレス会員誌「IMPRESSION GOLD」などに、IKTTを紹介していただいています。以下、ニコンサロンの写真展内容を再掲します。

 作者は、ユージン・スミスのアシスタントとして1971年から3年間「水俣病」に関わった。同時に作者自身も水俣病を自分の問題として撮影するようになった。
 当初、それらの写真を発表することは考えてはいなかった作者だが、2008年のスミス氏没後30周年慰霊祭を機に、今一度、ユージン・スミスの「水俣」というプロジェクトを検証してみたいと考え、再び水俣病を撮影するようになった。そしてまたそこには、当時作者が知っていた水俣病の人たちは現在どうしているだろうかという思いや、「水俣」やユージン・スミスと関わった者として、今の自分に何ができるのだろうかと作者自身へ問いかける気持ちもあった。
 作者が初めて水俣に滞在した時から40年という年月が流れたが、当時カメラの前に立ってもらった患者さんたちを、可能なかぎり以前と同じ場所で撮影している。同時に作者は、ユージン・スミスの「水俣」というプロジェクトで体験したことなどを「水俣ノート」という形にまとめ、水俣病という苦難を生きてきた人たちの40年の歳月やユージン・スミスの存在を、この写真を通して現在に繋げようと試みる。モノクロ50点。

ATELIER MUJIトークイベントでの森本さんの講演録が掲載されています

 さる9月22日と23日に、有楽町のATELIER MUJIで行われたATELIER MUJIトークイベント「天然染 "未来に向けた羅針盤づくり" IKTTの活動と無印良品との取組み」での森本さんの講演録が、無印良品「くらしの良品研究所」活動レポートとして、くらしの良品研究所のWebサイト上で紹介されています。

2012-10-12

日本アセアンセンター「カンボジアをもっと知ろう!」のご案内

 10月25日(木)と26日(金)、日本アセアンセンターにおいて「カンボジアをもっと知ろう!~美と背景を探る~」が開催されます(入場無料)。
 会場では、カンボジアの染織品の展示、木内博・写真展、カンボジアの工芸品の展示と紹介のほか、2011年11月にカンボジアで開催された「沖縄の舞踊と染織による、日本・カンボジア文化交流」事業のビデオ上映が行なわれます。会場には、IKTTで織り上げられたピダンも展示されます。
 その他、26日の14時30分からは、ワークショップ「積み木でアンコールワットを作って学ぼう」が、同じく17時からは、講演会が開催されます。

【ワークショップ】11月26日(14:30~16:30)
「積み木でアンコールワットを作って学ぼう」
レクチャー・指導:ニム・ソテイーヴン氏、阿部千依氏

【講演会】11月26日(17:00~19:00)
◎今川幸雄氏(和平後初代駐カンボジア日本国大使)「カンボジア和平の実現と文化再興」、
◎ニム・ソテイーヴン氏、阿部 千依氏「カンボジア人にとってのアンコールワットとは」、
◎遠藤宣雄氏「自然・人・文化による21世紀の社会発展」

開催場所:国際機関 日本アセアンセンター内「アセアンホール」
東京都港区新橋6-17-19 新御成門ビル1F Tel 03-5402-8001(受付)
(都営三田線 御成門駅A4出口すぐ)

2012-10-11

東京国際映画祭で、カンボジアの古きホラー映画!

 10月20日(土)から28日(日)まで、TOHOシネマズ六本木ヒルズその他で開催される「第25回 東京国際映画祭」で、「ディスカバー亜州電影~伝説のホラー&ファンタ王国カンボジア」と題してカンボジアのフィルムが3本上映されます。このうち「ゴールデン・スランバーズ」は、在仏カンボジア人監督が祖国のホラー映画史を発掘するドキュメンタリー、「天女伝説プー・チュク・ソー」と「怪奇ヘビ男」は、ポル・ポト政権以前に製作されたホラー映画とのこと。

■「ゴールデン・スランバーズ Le Sommeil d'or」
クメール語・フランス語/2011年、フランス=カンボジア
10月20日 10:50-12:26 (本編96分) TOHOシネマズ 六本木ヒルズ Screen5
10月22日 10:20-11:56 (本編96分) TOHOシネマズ 六本木ヒルズ Screen3

■「天女伝説プー・チュク・ソー Peov Chouk Sor」
クメール語/1967年、カンボジア)
10月28日 11:30-13:50 (本編110分) TOHOシネマズ 六本木ヒルズ Screen5

■「怪奇ヘビ男 Puos Keng Kang」
クメール語/1970年、カンボジア
10月28日 14:35-17:19 (本編164分) TOHOシネマズ 六本木ヒルズ Screen5

2012-09-27

クチン「自然染色に関するシンポジウム/エコ繊維素材フォーラム」のご案内

 9月27日から10月1日まで、マレーシアのサラワク州(ボルネオ島)クチンで開催される自然染色に関するシンポジウムと、持続可能な繊維素材に関するフォーラム(ISEND-WEFT:INTERNATIONAL SYMPOSIUM AND EXHIBITION ON NATURAL DYES & WORLD ECO-FIBER AND TEXTILE FORUM)に森本さんがIKTTのスタッフとともに参加されます。急遽同行が決まった5人は、ファンションショーへの参加とのこと。「蚕まつり」前夜祭に行なわれていたファッションショーの、はじめての海外デビューとなります。
 なお、今回のフォーラムのテーマは、「Waste to Wealth(ゴミを宝に)」とのこと。森本さんと無印良品との取り組みを待っていたかのようなタイミングとなりました。

2012-09-26

民博 特別展「世界の織機と織物―織って!みて!織りのカラクリ大発見」

 民博(正しくは、国立民族学博物館)で、特別展「世界の織機と織物―織って!みて!織りのカラクリ大発見」が始まっています。以下、民博のWebサイトにある特別展の「概要」を再掲します。

  織物を織るという技術は、人類史の中枢技術として古代から現代に至っており、産業革命やIT革命も織りの技術の延長線上にあります。当特別展は、織りの技術、織機構造のカラクリ、織物の実像などをあきらかにすることをおもな目的とした体験型展示の展覧会です。
 当特別展では、世界各地で収集された織機と織物が展示資料の大多数を占めますが、一部には入館者が織りを体験することができる場をもうけ、展示資料を見るだけではなく、さまざまな織りのカラクリを自らのからだや小型の簡易型織機模型などを使って実体験することによって、織りの技術、道具としての織機、織物がいかなるものであるのかということを知ることができる展示を試みます。さらに、そうした体験型展示を通じて、産業革命以降に人類が手仕事を放棄し続けて今日に至っているという危機的状況について警鐘を鳴らし、手仕事への回帰というメッセージを社会に向けて発信することも計画しています。
 また、本館共同研究「手織機と織物の通文化的研究」の成果として、世界各地で今日まで継承されてきたさまざまな織りの技術や、織物を織るための道具である織機のカラクリ、さらには織物について、これまでに知られることのなかった多くの情報を、様々なイベントや機織りの実演などの関連事業を通じて公開する計画で、そうした情報公開は織りの技術や織機や織物についての従来の世界の常識を大きく覆すことになると予想されます。
 ※本館エントランスホールでは、コンピュータの発明のもとになった ジャカード織機や豊田佐吉が発明した自動織機なども展示します。

 詳細は、民博のWebサイトにある「関連イベント」をご覧いただきたいのですが、実際に「織り」のしくみを体験できるワークショップや、機織りの実演、そしてさまざまな地域の織物や織機に関するレクチャーが目白押しです。
 IKTTの活動を知り、森本さんの著書『カンボジア絹絣の世界』を読んで、「平織り」と「綾織り」ってどこが違うの? 「ジャガード織」って? 「三枚綜絞」ってどういうこと? 「腰機」は? ……というような疑問をもたれた方、ぜひとも民博に通って、その疑問を晴らしていただければと思います。

会期:2012年9月13日(木)~11月27日(火)
会場:国立民族学博物館 特別展示館&本館1階エントランスホール
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:水曜日
無料観覧日:9月15日(土)、17日(祝)、11月3日(祝)、17日(土)、18日(日)
観覧料:一般830円、高校・大学生450円、小・中学生250円

2012-09-25

ATELIER MUJI「天然染 "未来に向けた羅針盤づくり"」講演会終了しました

 無印良品有楽町店2階の ATELIER MUJIで、9月22日と23日に開催された講演会「天然染 "未来に向けた羅針盤づくり"」は盛況のうちに終わりました。
 「伝統は守るものではない」「今の時代、守るということは後向きに走ること」「最新鋭の染色マシーンを道具に変える。道具とは手の延長にあるもの」「IKTTが取り戻した自然染色における伝統の知恵と、上海の最新式の機械を使いこなす染色テクニック、それらを融合させていいものを作ろうというMUJIの人たちの想いが重なった」「使い捨てを前提にする大量生産ではなく、よいものを手に入れやすい価格で作る量産のかたち」「美しさとは、ぞくっとするもの」「もうひとつのアート」などなど、2日間とも刺激的な言葉がたくさん飛び出しました。
 なお、展示会は、10月8日(月)まで開催されています。バラの茎、ココナツの殻、ウォールナッツの端材が、それぞれ積み上げられた展示台に、それらを使って染めたオーガニックコットンの天然染タオルも置かれています。それらの自然な色をぜひともご覧ください。会場には、IKTTの定番の染め材と、それらで染められた生糸やマフラーも紹介されています。  

2012-09-21

森本さんと良品計画社長との対談が掲載されています

 株式会社良品計画のWebサイト上に、「環境・社会への取り組み」として、森本さんと良品計画社長の金井政明氏とのトップ対談が掲載されました。
 手でものをつくることの意味、そして自然と人との関係などについて、それぞれ、じっくり語っていらっしゃいます。

2012-09-14

9月15日、「ガイアの夜明け」で森本さんと無印良品の取り組みが紹介されます


 9月11日(火)に放送された「ガイアの夜明け」は、明日15日(土)の20時から、BSジャパンでも放送されます。見逃された方、ぜひご覧ください。

2012-09-06

ATELIER MUJI「天然染 "未来に向けた羅針盤づくり"」展のご案内

 9月11日(火)から10月8日(月)まで、無印良品 有楽町2FにあるATELIER MUJI(アトリエ・ムジ)で、「天然染 "未来に向けた羅針盤づくり"」展が開催されます(入場無料、10:00から21:00まで、会期中無休開催)。
 会場では、森本さんと無印良品が取り組んできた、工場での生産が可能な「天然染」について、ならびにIKTTの活動についてが紹介されます。
 なお、22日(土)と23日(日)には、森本さんの講演会も開催されます。

日時:2012年9月22日(土)、23日(日)(各回14時~)
会場:無印良品 有楽町 2F ATELIER MUJI
定員:各30名(参加無料・要事前予約)
入場料 : 無料
※参加申し込みは、2012年9月11日(火)午前11時より、無印良品 くらしの食品研究所のWebサイト上で行ないます(満員になり次第終了)。

2012-09-05

9月11日放送、テレビ東京「ガイアの夜明け」で森本さんと無印良品の取り組みが紹介されます

 9月11日(火)放送の「ガイアの夜明け」は、『「ニッポンの生きる道(第4弾)~地球を救うヒット商品とは』と題した内容で、無印良品が商品化を進める「自然の素材だけで作ったタオル」が取り上げられます。
 森本さんは、このタオルの自然染色のプロジェクトに関わってきました。それも、単に「化学染料を使わない」のではなく、それまでゴミとして扱われていた、バラの茎や、ココナツの殻、家具を作る際に大量に出るおがくずなどを、染め材として使用しての染色です。
 以下、テレビ東京の番組紹介から引用です。

 なでしこジャパンの川澄選手などが愛飲している健康ジュース、アサイー飲料。南米ジャングルのフルーツを原材料にもとに作ったもので、健康志向のOLたちに大人気だという。実はその、アサイーが南米アマゾンのジャングル再生に役立っているという。一体どういう仕組みなのか?
 また、無印良品は、自然の素材だけで作った、環境に優しいタオルの製造に挑戦していた。一体なぜなのか?
 その背景には南米アマゾンで進むジャングルの減少……工場からの廃水で汚染される河川……などといった現状があった。こうした世界の現状を改善しようと、新たなニッポンのものづくりが始まっていたのである。
「地球に負荷をかけない新たなものづくり」に挑戦し始めたニッポン企業の今を追った。

 放送は、テレビ東京で9月11日(火)の22時からです。(9月15日(土)20時から、BSジャパンでも放送があります)。

2012-08-31

女子美アートミュージアム「アンコールのヴィーナス」展のご案内

 9月8日(土)から10月21日(日)まで、女子美術大学相模原キャンパス内の女子美アートミュージアムにおいて「アンコールのヴィーナス‐BAKU斉藤の視線‐」が開催されます(入場無料)。
 会場では、アンコール遺跡群を数十年にわたって撮影されてこられたBAKU斉藤氏の写真とともに、平山郁夫シルクロード美術館が所蔵するカンボジアシルクが展示されます。
 また、写真展展示にあわせ、講演会ならびにギャラリートークなども行なわれます(詳細については、女子美術大学のWebサイトをご覧ください)。

「アンコールのヴィーナス‐BAKU斉藤の視線‐」
と き:9月8日(土)から10月21日(日)/火曜日休館(入場無料)
    10時から17時(入館は16時30分まで)
ところ:神奈川県相模原市南区麻溝台1900
    女子美術大学相模原キャンパス 10号館1階
    電話:042-778-6111(代表)
アクセス:小田急線相模大野駅からバス「女子美術大学行」約20分
     JR横浜線古淵駅からバス「女子美術大学行」約15分

2012-08-27

カンボジア料理店「すろまい」拡大移転リニューアルしました

 大阪高槻のカンボジア料理店「すろまい」が移転し、リニューアルオープンしました。
 以前より店舗が広くなり、新しいメニューも増えています。
 当面はディナータイムのみとのことですが、まもなくランチも再開されることと思います。

カンボジア料理店「すろまい」
【住所】
高槻市紺屋町6-6
敷島ビル4F
【電話】
072-683-2444(従来通り)

2012-08-24

8月24日付、毎日新聞で森本さんが取り上げられました

 2012年8月24日付の毎日新聞「ひと」欄で、「森本喜久男さん 『クメール織』復興に取り組む」として、森本さんが取り上げられました。先日、授与式が行なわれた大同生命国際文化基金「大同生命地域研究特別賞」の際に取材を受けたものが記事になったものです。
                         *
 残念ながら、ひとつだけ事実誤認があるようです。記事中に“偶然にも「カンボジア難民キャンプで織物学校の世話役をしないか」と誘われた”とありますが、森本さんが「難民キャンプの織物学校でのスタッフを探している」と誘われたのは、東北タイのウボンラチャタニにあった、ラオス難民が収容されていたウボン難民キャンプのボランティアとして、でした。現在、森本さんがカンボジアで活動していること、そして当時の難民といえばカンボジア難民であろうという推測によるものだと思います。(参照『メコンにまかせ』p.28)

2012-07-23

カフェギャラリー プテアでの報告会終了しました

ご報告が遅くなりましたが、7月13日に大阪・
池田のカフェギャラリー プテアで開催された森本さんの報告会「自然の恵みを色にする」は無事終了しました。
 森本さんにとっては、大同生命国際文化基金による「大同生命地域研究特別賞」をいただいた直後ということもあり、いろいろな思いが交錯した晩だったと思います。
 落ちついた雰囲気のなかで、森本さんのお話は始まりました。会場には、懐かしい顔もあり、今回初めて参加された方もあり、ひとりひとりの顔を見ながら森本さんの話は続きます。1995年に始まったカンボジアの伝統織物とのつきあい、その過程での織り手・括り手ひとりひとりへの思い、そして始まったばかりのMUJIとのコラボレーションにつぎ込む思い。すべては、すばらしい布を作りたいと思う人たちへのシンパシーに始まり、それが今も続いているように思いました。
 不安定な雨模様のなか、会場にお越しいただいた皆様、本当にありがとうございました。

2012-07-22

上空から見た「伝統の森」工芸村エリア

 森本さんがfacebookにアップした「伝統の森」の工芸村エリアの写真を再掲します。
 写真中央左寄りの、切妻(屋根)が4つ続く建物が、2階がショップ、階下に織り機が並ぶ、工芸村のメインの建物です。
 その奥の木々に埋もれた2棟の建物のうち、右側が2階に森本さんのデスクのある事務棟です(階下のオープンスペースは、スタディツアーのミーティングなどに使われています)。
 写真中央右寄りの建物はゲストハウス、右下からゲストハウスに向かう道の右側の白い屋根は、牛小屋と資材置き場です。ゲストハウス手前、右方向に並んで茂る木々はマンゴーの木、ショップと事務棟の間に高く枝を張り出しているのはインディアン・アーモンドの木です。どちらも、この工芸村が形になりはじめてから、植えたものです。
 ショップのある建物の手前にあるのは、工芸村で働く人たちの住居兼作業場です。織り手や括り手の家族が暮らす高床式の家屋が2つ(2階が住居、1階が作業スペース)、その間に染め場や作業場、そして長屋のような集合住宅もあります。
 事務棟の奥に左右に広がるのは沼の水面です。沼を挟んで対岸には、桑畑と野菜畑が見えます。沼は、写真左側に回り込むように広がり、その対岸にも桑畑、綿花畑、藍畑などがあります。
 なにもなかったところに、この10年の間に、森本さんと「伝統の森」移り住んだ人たちの手で作り上げたこの村は、「手の届くところに素材のある暮らし」を実現した、カンボジア最高の伝統織物の制作工房であり、人びとが自然とともに暮らす村でもあります。

2012-07-16

森本さんのプロフィールを更新しました


 報告会を主催された方々から「報告会で、IKTTの森本さんがどういう活動をしてきた人なのか紹介したいのだが、森本さんのプロフィールを簡単にまとめたものはないのか」というお問い合わせをいただきました。

森本喜久男(もりもと・きくお)
1948年生まれ。IKTT(Institute for Khmer Traditional Textiles ;クメール伝統織物研究所)代表。1996年にカンボジアの現地NGOとしてIKTTを設立。以来、内戦下で途絶えかけていたカンボジア伝統の絹織物の復興を促すとともに、人びとの暮らしの再生と、人びとの暮らしを包み込む自然環境の再生に取り組んでいる。「伝統の森」とは、シエムリアップ郊外にあるIKTTのプロジェクトサイトである。
著書に『メコンにまかせ 東北タイ・カンボジアの村から』、『カンボジア絹絣の世界 アンコールの森によみがえる村』、ほかに私家版の『Bayon Moon - Reviving Cambodia's Textile Traditions』(英語版)、『森の知恵 The Wisdom from the forest』(クメール語版)など。また、「伝統の森」で開催されたイベントを記録したDVD『IKTT伝統の森 蚕まつり2008』などがある。
第11回ロレックス賞受賞(2004年)、社会貢献者表彰(2010年)、大同生命地域研究特別賞(2012年)。
【略年表】
1948年:京都に生まれる。
1971年:京都にて手描き友禅の工房に弟子入り。
1974年:レイデザイン研究所テキスタイルデザイン科卒業。
1975年:独立して手描き友禅工房(森本染芸)を主宰。
1980年:初めてタイを訪れ、クロントイ・スラムに滞在。バンコクの博物館でカンボジアの絣布に出会う。
1983年:タイのラオス難民キャンプの織物学校のボランティアとしてタイへ渡る。タイの手織物と出会う。
1984年:東北タイの農村での手織物プロジェクトの設立に関わり、その後、草木染めの調査、指導を続ける。
1988年:バンコクに草木染シルクの店「バイマイ(「木の葉」の意)」を開店。
1990年:ワシントンの織物博物館(the Textile Museum)のタイでの調査に協力。「タイ東北地方に於ける伝統的草木染めについて」の報告書を提出(その成果は "Textiles and the Tai Experience in Southeast Asia" に掲載)。
1992年:キング・モンクット工科大学のテキスタイルデザイン科の講師となる。
1995年:ユネスコ・カンボジアの手織物プロジェクトのコンサルタントとして現地調査を実施。「カンボジアに於ける絹織物の製造と市場の現況」調査報告書を提出。カンポット州タコー村で、在来種による伝統的養蚕の復興プロジェクトを開始。
1996年:プノンペン郊外、タクマオ市にIKTT(Institute for Khmer Traditional Textiles ;クメール伝統織物研究所)を設立。国際交流基金アジアセンター主催の、アジア各地の織りの担い手たちとのワークショップに参加。
1998年:第一書林より『メコンにまかせ 東北タイ・カンボジアの村から』を上梓。
1999年:「桑の木基金」設立。地雷被害の大きいバッタンバン州などで養蚕プロジェクトを開始。
2000年:IKTTをシエムリアップに移転し、研修生の受け入れを開始する。沖縄県南風原町主催の「アジア絣ロードまつり」に参加。パネリスト・レクチャラーとしてカンボジア伝統織物についての報告を行なう。
2002年:シエムリアップ州アンコールトム郡に約5haの土地を取得。「伝統の森・再生計画」予定地とする。マサチューセッツ州ノースハンプトンで開催されたテキスタイル・ソサエティ・オブ・アメリカの第8回シンポジウム「Silk Roads, Other Roads」に参加し、カンボジアの伝統織物の現状を報告。
2003年:「伝統の森・再生計画」に着手(その後、対象地は約22haにまで拡張)。「伝統の森」で蚕供養を始める。福岡市美術館「カンボジアの染織」展に招かれ、講演「カンボジアにおける伝統織物の復興」を行なう。在シエムリアップの学術系NGO、センター・フォー・クメール・スタディーズと共催で「ホール(絣):クメールとチャム、2つの美の融合」と題する企画展示ならびに学術セミナーを開催。
2004年:「世界中の新規及び進行中の独創的かつ革新的なプロジェクトを実行している個人」に贈られるロレックス賞(第11回)を受賞。
2007年:プノンペンの王宮にて、研究所の主要スタッフとともにノロドム・シハモニ国王への接見の栄誉を賜る。
2008年:NHKブックスより『カンボジア絹絣の世界 アンコールの森によみがえる村』を上梓。『Bayon Moon - Reviving Cambodia's Textile Traditions』を私家版として上梓。フランスの旅行会社アジア・ボヤージの協力により、パリ・リヨン・トゥールーズにおいて展示会を開催。「伝統の森」にて「蚕まつり2008」を開催(前夜祭としてファッションショーを実施)。
2009年:カナダのバンクーバーで開催されたMaiwa Textile Symposium 2009に招かれ、レクチャーとワークショップを行なう。沖縄・南風原文化センター主催の「アジア・沖縄 織りの手技」展に招かれ、講演を行なう。タイ・テキスタイル・ソサエティの名誉会員となる。
2010年:ノロドム・シハモニ国王の訪日に際し、鳩山首相との午餐会に臨席する栄誉を賜る。公益財団法人社会貢献支援財団より社会貢献者表彰を受ける。
2011年:クメール語の小冊子『森の知恵 The Wisdom from the forest』を上梓。
2012年:クアラルンプールで開催された「ワールド・テキスタイル・シンポジウム2012」で講演を行なう。公益財団法人大同生命国際文化基金による、2012年度の大同生命地域研究特別賞を受賞。

 なお、IKTTそのものの活動の経緯については、「IKTT(クメール伝統織物研究所)とは」も併せてご覧ください。

2012-07-14

森本さん、大同生命地域研究特別賞を受賞


 7月13日、大阪の大同生命本社において、公益財団法人大同生命国際文化基金による、2012年度の大同生命地域研究賞の贈呈式が開催されました。
 大同生命地域研究賞とは「地球規模における地域研究」に貢献した研究者を顕彰するものですが、多年にわたって地域研究の発展に著しく貢献した研究者への「大同生命地域研究賞」のほかに、新しい展開を試みた研究者への「大同生命地域研究奨励賞」、そして対象地域を通じて、国際親善、国際貢献を深める上で功労のあった者への「大同生命地域研究特別賞」があります。
 今回、森本さんは、「大同生命地域研究特別賞」を受賞しました。過去の特別賞受賞者を見てみると、初回の1987年度が本多勝一、92年度に鶴見良行、93年に市岡康子、95年に高野悦子、98年に向後元彦、99年に大村次郷、2003年に中村哲、04年に前川健一、05年に松岡環、07年に村井吉敬、08年に嘉田由紀子、10年に門田修(以上、敬称略)などの方々で、ジャーナリスト、写真家、プロデューサー、研究者、県知事、NGO活動家など多岐にわたります。
 森本さんの行なってきた「カンボジアにおける伝統に根ざした生活文化と自然再生への実践的な貢献」について、業績紹介をされた秋道智彌・選考委員は、現在のカンボジアで作られる最高レベルの作品としてのクメール織の復活と再生のみならず、その制作に従事する女性たちの自立を促し、なおかつ在来種の繭と天然染料による制作という伝統に徹していることを指摘されています。そして、「伝統の森」再生計画については、「伝統的な織物技術を再生し、合わせて地域住民の生活向上と自然環境の再生を総合的に進めてきた努力と着想」は、きわめて意義ある活動といえると評価されました。そして、従来の国際援助の常套手段であった機械の売り込みや箱もの・道路の建設とは質の異なる、地域に根ざした国際協力の典型例であると、紹介されました。

2012-07-06

7月13日、カフェギャラリー プテアでの報告会のご案内


 森本さんの一時帰国にあわせ、7月13日(金)に、大阪の池田で報告会を開催します。
 会場は、12日(木)から「カンボジアの絹絣展」を開催するカフェギャラリー プテアです。

【森本喜久男・報告会】
~自然の恵みを色にする~
と き:7月13日(金)
   19時から(20時30分終了予定)
ところ:カフェギャラリー プテア
   大阪府池田市菅原町10-8
   Tel:072-737-5326
   阪急池田駅1番出口より徒歩5分
   入場無料、定員20名
   (できるだけご予約願います)
※参加申し込みは、info@phteah.net (@マークを半角に替えて送信願います)あるいは電話 (072-737-5326 プテア)までお願いいたします。

2012-07-03

7月12日-15日、カフェギャラリー プテア「カンボジアの絹絣展」のご案内


 今年3月に大阪池田にオープンした、長屋の小さなカフェギャラリー プテア(phteah)で、「カンボジアの絹絣展」が開催されます。
 会場では、IKTTで制作されたクメールシルクの展示と販売が行われます。
 ちなみに、プテア(phteah)とは、クメール語で「家」のことです。

と き:7月12日(木)~15日(日)
   12:00~20:00
ところ:カフェギャラリー プテア
   池田市菅原町10-8
   Tel:072-737-5326
   阪急池田駅1番出口より徒歩5分

2012-06-27

書籍『杏のふむふむ』のご紹介


 モデル、女優、シンガー、そして歴女でもある、杏さん初のエッセイ集『杏のふむふむ』が筑摩書房から刊行されました。
 本書は、彼女がこれまでさまざまなかたちで“出会った”人たちを描いています。
 そして、そのなかのひとりとして、森本さんも登場します。
 杏さんは、2010年3月にBS日テレで放送された番組「世界で勝負!グレートジャパニーズ」のナレーションを務め、その直後の5月4日にJ-WAVEで放送された番組「BLUE PLANET」の取材でシエムリアップを訪れ、森本さんへのインタビューを担当されました。そのときの「伝統の森」の様子や森本さんに会ったときの印象などが、「クメール織の『伝統の森』」のタイトルで掲載されています。

2012-06-11

6月9日、10日の報告会、無事終了しました

 東京・青山と大阪・高槻での、2日間にわたった森本さんによる現地報告会「森の知恵~自然の恵みを色にする」は、無事終了しました。
 9日の青山、10日の高槻、それぞれの会場にご来場いただいた皆様、ほんとうにありがとうございました。
 無印良品との新たなコラボレーションのなかで、草木染めの新しい時代を切り拓こうとしている、森本さんの強い思いの一端をうかがい知る機会となったことと思います。

 5月31日付で配信されたメールマガジン「メコンにまかせ」(vol.270)のなかで、森本さんは上海の工場に届いた中国各地からの染め材について言及されていましたが、そのうち山東省から届いたお茶の木の根というのは、茶畑を更新するために掘り出したお茶の古木の根だということが判りました。また、シンセンから届いたバラの木とは、生花市場にバラの花束を出荷するときに、長さを揃えるために切り落されたバラの枝葉なのだそうです。また、家具を作る際に大量に出るオガクズも、染め材にしたのだそうです。
 廃棄されるはずだったモノを染め材として使い、ゴミを宝の山に変えること。そして、上海にある最新鋭の巨大な染色マシーンを、工芸の世界で職人が使う道具と同じく、手の延長にある道具のように使いこなすこと。そんな森本さんの挑戦が始まりました。

※メールマガジン「メコンにまかせ」の講読は、こちらからお申し込みください(講読無料)。

2012-06-01

6月10日、高槻・高槻現代劇場での報告会のご案内

森本さんの一時帰国にあわせ、6月10日(日)に、大阪の高槻で報告会を開催します。
 会場は、高槻現代劇場の奥の建物である市民会館(集会室206号室)です。

■森本喜久男・現地からの報告2012 「森の知恵~自然の恵みを色にする」
と き:6月10日(日)/15時から17時まで
ところ:高槻現代劇場 市民会館集会室 206号室
    大阪府高槻市野見町2-33(Tel:072-671-1061)
    阪急京都線「高槻市駅」から徒歩5分/JR京都線「高槻駅」から徒歩12分
    入場無料、定員50名(できるだけご予約をお願いします)
※販売については、会場利用規約の関係で、報告会終了後に行います。
※報告会の後、すろまいでの森本さんを囲んだ食事会も予定されています(定員13名、要予約

2012-05-31

上海へ


 5月31日付で配信されたメールマガジン「メコンにまかせ」(vol.270)で、森本さんは、上海での新たな取り組みについて記しています。以下、メールマガジンから引用します。

 2週続けて、シエムリアップと上海を往復した。
 上海での新たな取り組み。それは、不思議な縁で始まった無印良品との新しいコラボレーション。それは、伝統と現代のコラボレーションともいえる。
 自然染料は色落ちするという常識から、色落ちしない自然染料でなおかつ適正な価格での日常着での販売の実現を目指すもの。それは、新しい常識の創造。だが本当は、伝統の知恵を取り戻す作業でもある。
 前回は、必要な設備の準備と、自然染色の基本の手順を説明することに費やした。今回は、異なる6つの染め材を使って、実際にいくつかの製品サンプルを染めてみた。染め材は、中国の各地から集められた。たとえば、椰子の実は海南島から、茶の木の根は山東省から、シンセンからはバラの木が届いた。
 いちばん驚いたことは、若い中国人のスタッフの好奇心と積極的な作業への協力だった。それはエネルギッシュな、現在の中国を象徴しているように思える。今回の作業を通じて、今後の量産化への具体的な準備も見えてきた。もちろん超えなければならない課題はたくさんある。しかし、中国の熱心なスタッフであればそれを可能にすることができるはず。
 2度の訪問で、段取りはほぼ完了。これまでのわたしの経験では、特注の大きな寸胴鍋を使い、一度に10メートルとか20メートルの布は手染めでも可能。それを1000メートル単位で、一度に、それも草木で、堅牢度もクリアし、ムラなく、を実現させていく。生きモノの鉄媒染用の「おはぐろ」も、自家製で、それもトン単位を用意する(笑)。画期的なプロジェクトになるはず。

【以上、メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事から再掲】
※メールマガジン「メコンにまかせ」の講読は、こちらからお申し込みください(講読無料)。

2012-05-21

草木染めの経験値


 5月21日付で配信されたメールマガジン「メコンにまかせ」(vol.269)で、森本さんは、かつてバンコクで「バイマイ」という草木染めシルクの店をやっていた頃の話を紹介しています。
 当時、ショップに並べられるシルクを、バンコクの自宅ガレージの染め場で、大きな寸胴鍋で手染めしているところを拝見したことがあります。
 そのころ、バイマイの仕事と並行して、東北タイの農村で草木染めのワークショップを開催したり、日本の百貨店からのオーダーで手染めシルクの布を卸したことがあるとも記しています。そして、大量に染める作業を繰り返し、失敗も含めた経験値が上がるなかで、はじめて見えてくる世界があるとも。
 こうした経験の積み重ねと、その後のカンボジアでの実績を踏まえ、今回、無印良品との草木染めを軸にした新たなコラボレーションが始まったのだと思います。以下、メールマガジンから引用します。

 80年代の後半、わたしはタイで「バイマイ(木の葉)」という自然染料で染めた手織りシルクの布と製品を売る店をやっていた。今でいうところのフェアトレードの店かもしれない。村の織り手に、自然染色の講習会をやりながら、そこででき上がった布を自分で買い、売っていた(笑)。
 当時は、すでに化学染料が当たり前。今ほど自然染料に対する関心や興味がなく市場は限られていた。店での主な客層は、タイ人の自営業の店主の女性たち。彼女たちは、草木染めという能書きよりも、それで生み出された色と本当の手織りの布の風合いが気にいってくれていた。その筆頭顧客は、なんとクイッティオという麺屋台のおばちゃん。屋台でクイッティオを出しながら、シルクの服を毎日着てくれていた。でも、汚れるんですね。で、汚れると染め直しを依頼しにきていた。
 そして、テレビの有名なキャスターさんも常連だった。彼女のテレビに出るときの衣装は、バイマイのシルクの服が定番になり、ある時期から無償提供した。そのかわりに、番組のエンドロールにバイマイの名が表示されるようになった。
 化学染料が当たり前だった村人に、昔なりの自然染料に回帰するためのワークショップを、東北タイの村で94年頃まで続けた。そのうちのいくつかの村は、いまではタイを代表する手織りと自然染料の布で有名と紹介されるまでに。明礬や鉄漿(おはぐろ)などの媒染を使った自然染料の定着と発色のためのノウハウや、乾燥したラックを使った染め方が、村に根付いていると聞いた。村でたずねるとわたしたちは昔からこうして使っていたというけれど、じつはわたしがワークショップで紹介したもの。それも、もう25年前のこと。四分の一世紀も経っているのだから、「昔から」と言われても嘘ではないのかもしれない。
 当時、日本のアパレルメーカーから頼まれ、手織りシルクの布を月々2000メートルほど、椰子の実やバナナの葉などの自然染料で染めて納めていたことがある。ほぼ1メートル幅の布を長さ20メートル単位での手染め。でも、染めの道具は普通の少し大きめの高さ1メートルほどの寸胴ステンレス鍋、染めの材料の煮込み用には、一回り小さい60センチのものをいくつか。一度に20メートルの布を2枚づつ。一日に4枚から6枚。液量が多いからまったくの力仕事、あまりの量と重さに電動ウインチの設置を真剣に考えたことも。
 染められたシルクの布は、バンコックにある日系の縫製メーカーの手でブラウスなどになり、日本のデパートで販売されていた。それが一年と少し続いた。好評だと聞いていたのだが、突然オーダーが止まった。数年後、偶然そのアパレルメーカーの社長さんに空港でお会いした。わかったことは、バンコックで間に入っていた現地のタイ系商社が、仕事を系列業者に流したようだ。しかし、もちろん偽の草木染め、シルクのクオリティも違う。社長さんも不審に思っていたという。しかし、現地商社の話では、わたしが断ったためにそうしたという、嘘の話になっていた。真剣な、笑い話といえる。
 でも、その仕事をしたことで、自然染料で布を大量に染めるためのノウハウを学ぶことができた。そして、普通、草木で染めた場合に難しいといわれてきた同じ色で反物違いの布を千メートル単位で同じ色に染め上げる、そのための技術も身につけた。2万メートルを超える布を染めたことで得られた、技術的なことも含めた経験値。
 京都時代、わたしは手描き友禅の職人だった。毎日、キモノに絵を描き、染める仕事をしながら、オイルショック前後、幸いにヒット商品と呼ばれるようなものも創ることもあった。同じ柄を100枚描き終えて、はじめて見えてくる世界があることも学んだ。99枚では見えてこない職人技の世界といえる。そんな経験をしてきているから、自然を相手に数万メートルの布を染め終えて、初めて見えてきた世界がある。

【以上、メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事から再掲】
※メールマガジン「メコンにまかせ」の講読は、こちらからお申し込みください(講読無料)。

2012-05-14

6月9日、青山・環境パートナーシップオフィスでの報告会のご案内

森本さんの一時帰国にあわせ、報告会を開催することになりました。会場は、これまでにも何度もお世話になっている、青山の環境パートナーシップオフィス(EPO)の会議室(ミーティングスペース)です。

■森本喜久男・現地からの報告2012 「森の知恵~自然の恵みを色にする」
と き:6月9日(土)/12時から16時まで(展示と販売)
タイムテーブル:開場=12時
         VTR上映=13時から
         森本喜久男による現地報告=14時から
ところ:環境パートナーシップオフィス(EPO) 会議室(ミーティングスペース)
    渋谷区神宮前5-53-67コスモス青山B2
    表参道駅B2出口より徒歩5分
    入場無料、予約不要
【問い合わせ先】information@iktt.org(@を半角に変えて、ご送信ください)
アクセス:青山学院大学の向かい、国連大学の裏手のビルにある青山ブックセンターと同じフロアにあります。
※最寄駅:表参道駅からB2出口を出て、そのまま道沿いに直進し、約5分ほどで国連大学のビルが見えます。

2012-05-10

『メコンにまかせ』復刊リクエスト投票キャンペーン


 当ブログの左サイドバー中ごろに、『メコンにまかせ』復刊リクエストというサブウインドウがあります。
 これは、復刊ドットコムという会社が、品切・絶版になってしまっている書籍を復刊させるサービスです。簡単にいうと、リクエストが100件集まった書籍について、発行元の出版社に再版(復刊)していただくよう、交渉するというものです。ながらく品切れになってしまっている『メコンにまかせ』について、これまで11票の復刊リクエストが寄せられています。
 現在、復刊ドットコムでは、「復刊リクエスト」投票キャンペーンを行なっています。5月31日までに復刊リクエスト投票を行うと、Tポイント30ポイントがもらえるとのことです。
 詳細は、復刊ドットコムの「復刊リクエスト」投票キャンペーンをご覧ください。

2012-05-06

ブログ「世界八十八湯温泉道 世界一周 極楽エクスプローラーの旅」のご紹介


 昨年10月に「伝統の森」を訪れた賢太郎さんが、ご自身の旅行記ブログ 世界八十八湯温泉道 世界一周 極楽エクスプローラーの旅 のなかで、森本さんへのインタビューを、4回にわたって記されています。  4月21日付の『いま、世界を変えている日本人』第三弾 森本喜久男さんから、4回連続での投稿です。

2012-04-29

先人の知恵を取り戻す


 4月26日付で配信されたメールマガジン「メコンにまかせ」(vol.266)で、森本さんは、化学染料に取って代わられてしまっている、自然染料による染色技術の復権を強く主張されています。
 以下、メールマガジンから引用します。

 タイやカンボジアからマレイ半島部、そしてスマトラを始めとするインドネシアの島嶼部、それぞれの場所で、古くから伝統の織物が織られてきた。それは、それぞれの精神世界を表すものであり、また一方で日常の衣として使われてきたもの。その多くは、わたしたちが言う「手の記憶」の世界にある。ゆえに、その多くは記録として残されていない。
 親から子への、伝承の世界。わずか7~80年、織物の村に化学染料が持ち込まれ、それが日常化していく中で、伝統の自然染料の知恵は、あっという間に村から消えていった。
 たとえば「蘇芳」。綺麗な、オレンジかかった独特の赤が染まる。しかし、一般的には日光堅牢度が悪く、染めても日光の下に晒すと、簡単に褪色する、と言われている。この蘇芳、タイから朱印船時代の日本への積荷の半分はこの木だった、そんな記録も。タイには、この木の名前の地名も残る。そして、抗菌性が強く漢方薬にもなるこの木は、今では貴重なものに。南米、ブラジルはこの蘇芳の木の英語名の一つ。やはり、当時のヨーロッパ人が貴重な赤い色の染め材の産地としてブラジルを見ていた証左といえる。
 有名な、織田信長の赤い陣羽織。これは、この蘇芳で染めてるのではないかと思える。しかし、いまも色は褪せずに輝いている。どうしてなのか。それは、蘇芳の木片で染める前に下染めをする植物があり、それで先染めし、蘇芳で染めると堅牢度は上がる。しかし、この知恵は今では消えてしまっている。
 インドネシアのバティックと呼ばれるローケツ染めをするグループのリーダーと話していたとき。化学染料のインスタントな便利さが普及し、親から子へと三世代経てば、約百年前の記憶は消えてしまう、と嘆いていた。どの植物でどんな色を染めていた、という記憶はかろうじてあるにしても、実際に染めるための秘訣、実技的な知恵は欠落し、断片化されてしまう、とそんな話に。蘇芳の染めはそれを象徴している。
 わたしは、東南アジアの染料植物の調査をしながら、そのための資料として、手に入る本などを探していたとき、偶然に手にした本がある。それは、大正時代に日本で南洋材と呼ばれてきた木を扱う人たちのマニュアル本。それは、木の用途や育て方、見分け方などが詳細に記述されていた。そして、インドネシア語、マレイ語やフィリピン語など、それぞれの国での木の名前も。そして、それぞれの木の項目の最後に[その他]と言う項目があり、食用になるとかそれ以外の利用について書かれていた。
 なかに、この木は何色の染色に使われていた、という記述も。そして驚いたことに、ある木の[その他]の項目に、蘇芳の下染めに使われていたという記述を見つけた。そして、実際にそれを試してみた。ほんとうに日光堅牢度が上がる、いとも簡単にこれまでの蘇芳の堅牢度の常識は覆された。おおげさに言えば、新たな発見。だが、じつは伝統の知恵。昔ならば普通にあった知恵といえる。この本には19世紀後半から20世紀はじめ、村に近代的な産物が導入される前の時代の南洋で自然と接していた人たちの知恵が記録されていたことになる。そして、幸いなことに、そんなわたしたちが失った、染色の知恵もそこに記録されていたのである。
 そんな経験を繰り返しながら、いまわたしたちは、すべてを失う前にそんな先人の知恵をもう一度取り戻す作業にとりかからなければと、強く思えるようになった。

【以上、メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事から一部修正のうえ、再掲】
※メールマガジン「メコンにまかせ」の講読は、こちらからお申し込みください(講読無料)。

2012-04-28

ロレックス賞の受賞者紹介ページが新しくなりました


 森本さんは、2004年に日本人として初めてロレックス賞(Rolex Awards for Enterprise)を受賞しました。 そのロレックス賞のWebサイトが更新されました(英語版)。森本さんのプロフィール、プロジェクト紹介などの内容は、基本的に2004年の受賞時のものです。約8分ほどのプロジェクト紹介のショートフィルムもご覧になれます。

2012-04-18

アテネ・フランセのカフェでの写真展のご紹介

 御茶ノ水にあるアテネ・フランセの地下1階学生ホールで、山根祐佳さんの写真展「クメールの空の下」が始まりました。
 「伝統の森」の暮らしのひとコマと、シェムリアップ周辺の風景などが紹介されています。

と き:4月18日~5月12日
    月~金 9:30~19:30
       土 9:30~19:00
ところ:アテネ・フランセ(学生ホール)
    千代田区神田駿河台2-11
入場無料(アテネ・フランセの休校日には入場できません)
 ※休校日=日曜日ならびに4月29日(日)から5月6日(日)まで。
アクセス:御茶ノ水駅から徒歩7分、水道橋駅から徒歩6分

2012-04-04

ブログ「愛しのシェムリアップ」のご紹介


 3月の「蚕まつり」にあわせて「伝統の森」を訪れた抜忍さんのブログ「愛しのシェムリアップ」で、出発時のハプニングや、「蚕まつり」の様子、そして「蚕供養」と、その前後のシエムリアップでの出来事などが、3回にわたって紹介されていますので、ご紹介します。

2012-03-24

クアラルンプール「ワールド・テキスタイル・シンポジウム2012」



 直前のご案内で恐縮です。3月27日から28日にかけて、クアラルンプールで開催される「ワールド・テキスタイル・シンポジウム2012」に森本さんが参加されます。
 27日に、ロイヤル・チュラン・ホテルを会場に開かれるシンポジウムで、森本さんは「カンボジアの織物の再生と創造」と題した講演を行う予定とのこと。一般参加は無料のようですので、シンガポールやクアラルンプール近郊に在住の方は、訪れてみてはいかがでしょうか?

2012-03-23

「蚕まつり2012」の動画紹介


 森本さん自身がファッションショーのフィナーレのひとコマと、子どもたちのダンシングの様子をYouTubeにアップしています。こちらもご覧ください。


▲フィナーレ


▲子どもたちのダンシング

2012-03-22

「蚕まつり2012」レポート(その5)蚕供養

 翌3月11日(日)の早朝、まだ陽が昇らない真っ暗なうちから、数人のスタッフが動き始めました。食事の準備です。仏僧ならびに蚕供養に参加する人たちのための朝食を作っているのです。ネギを刻み、モヤシのヒゲを取り、鶏をさばき、お粥を作っています。
 明るくなるころには、20人近いスタッフが働いていました。
 「伝統の森」のショップの建屋の東側ベランダでは、蚕供養のための準備も行なわれていました。僧侶たちを迎える準備です。
 「伝統の森」に宿泊していた参加者たちが朝食をしているうちに僧侶たちも到着し、朝食を摂ってもらい、一休み。
 そして、蚕供養の儀が始まりました。
 「伝統の森」の主だった者たちが、お経を唱和します。その後、僧侶が読経を始めると、参列者たちは順に僧侶たちの前に、炊いたご飯をよそっていきます。蚕供養の参加者たちは、こうすることにより功徳を積むことになるのです。

 

2012-03-21

「蚕まつり2012」レポート(その4)ファッションショー後半

  

 ファッションショー後半は、森本さん自身が制作した手描きバティックと、IKTTの絣布のオンパレードです。あわせて注目していただきたいのは、森本さんによる着付けの妙です。彼女たちが身につけているシルクは、みな一枚の布です。つまんで縛ったりはしていますが、ハサミを入れて仕立て上げたわけではないのです。年々さえわたるアレンジの巧みさをお楽しみください。
 そしてフィナーレでは、再び全員がステージに登場します。今回は、ややダイジェストされたプログラムとなりましたが、IKTTのシルクのうつくしさを堪能させるステージでした。

  

2012-03-20

「蚕まつり2012」レポート(その3)ファッションショー前半

 

 子どもたちのダンシングが終わり、森本さんがマイクを手にファッションショーの開始を告げました。
 まずは、男たちの登場です。酒器や楽器を手にしてステージを回ります。その後ろで絣の布を広げて振り回しているのは、「うちのカミさんの作った布を見てくれ!」という、自慢のパフォーマンスのようです。
 「伝統の森」のリーダー・トウル氏によるクメール語での挨拶ののち、続いては、飾りのついたブラウスと絣布を腰に巻いた伝統的な装いの女性たちが、生糸を盛った籠や、絵絣を掲げての行進です。

 

2012-03-19

「蚕まつり2012」レポート(その2)子どもたちのステージ

 

 オープニングは、「伝統の森」の日本語学校で学ぶ子どもたちによるパフォーマンスです。「むすんでひらいて」の合唱。そして、ひとりひとりが前に進み出て、ご挨拶。「わたしの名前は・・・です。・・・歳です。わたしは・・・が好きです」などと、自己紹介をしました。
 そして、小さな子どもたちも加わってのダンシングです。ポーズを決めるダンスをする子、ただひたすら跳ねる子、それぞれが目いっぱい弾けています。

 

2012-03-18

「蚕まつり2012」レポート(その1)前夜祭の準備


 3月10日(土)の夕方、「蚕まつり2012」前夜祭が始まりました。今回は、外部からの来賓もなく、こじんまりとした雰囲気でのスタートです。
 第1部は、プロジェクターと液晶テレビを使い、2か所に分かれて9月のファッションショーの映像と、「伝統の森」の子どもたち用のアニメーション上映の予定で、昼過ぎから準備してきましたが、供給電力の限界もあり、上映を断念。この時点でジェネレーターを駆使しすぎると、後半のファッションショーの最中の出力トラブルも懸念されたためです。
 昨年秋の大洪水の際に水没したジェネレーターは、なんどかの修理を経てようやく復活には至ったのですが、その後も不安定な状態が続いていました。この日の午後にも、日本からやってきたスタディーツアー参加者の皆さんたちへのビデオ上映の際にも不具合が起きたりと、なかなか電力問題は改善されません。
 「伝統の森」での電気系統の保守管理という問題は、今回に限ったものではなく、機材の面でも、人的オペレーションの面でも、森本さんを悩ませ続けている課題といえます。
 その一方、ステージでキャットウォークするメンバーたちのメイクアップが始まりました。メイクを担当するのは、例年どおり、シエムリアップからやってきたオネエさまたちです。

 

2012-03-17

NHK-BS「地球テレビ エル・ムンド」の番組ブログで森本さんとクメール絣が紹介されています

2月28日(火)の、NHK-BS1「地球テレビ エル・ムンド」での放送後、同番組のWebサイトにある番組ブログEL MUNDO BLOGでも、森本さんとクメール絣が紹介されています。

2012-03-09

「蚕まつり2012」開催について


 「蚕まつり2012」の詳細が決まりました。
 今回の前夜祭は、2部構成での開催となります。3月10日(土)の16時30分から第1部としてDVD上映を、そして休憩と食事を挟んだ後、第2部として簡略版のファッションショーと子どもたちのダンシングが予定されています。
 翌11日(日)は、朝7時から、仏僧を招いての蚕供養の儀式が行なわれます。
====================================
【前夜祭】3月10日(土)   
    16時30分~ 《第1部》
    DVD映像による
     1.子供や、カンボジアの一般の人達にはアニメーション上映、
     2.日本からの参加者など昨年の蚕まつりとIKTTのDVD上映
       それぞれ場所は、二か所に分ける予定
       (休憩/食事)
    19時~    《第2部》
     1.ファッションショー(簡略版)
     2.子どもたちのダンシング
     3.全員参加の伝統踊りとダンシング
【蚕供養】3月11日(日)
     7時~  仏僧を招いての蚕供養の儀式と食事会
====================================
 前回の「蚕まつり2011」の前夜祭に比べて、簡略化された内容になっていますが、これにはいくつかの理由があります。
 まず、カンボジアの人たちにとっては、先の9月の“まつり”と今回の“まつり”は、どちらも同じ年の“まつり”なのです(カンボジアは仏暦ですので、4月に新しい年を迎えます)。3月実施を決めてから、同じ行事を1年のうちに2度行うのはちょっとおかしい、という考え方があることがわかりました。一方で、9月のときは、洪水のためにファッションショー以外は、ほとんど実施できずに残念だったという気持ちもあります。
 そのため、今回の“まつり”は、前回のイベントを補完するものと考えよう、ということになったようです。

 これまでの「蚕まつり」については、このブログサイトの左側サイドバーのラベルのところから、 [蚕まつり] をクリックしていただくと、過去の記事がご覧になれます。

2012-02-26

「季刊東北学」(第30号)で森本さんの取り組みが紹介されています

『季刊東北学』連載エッセイ「アジアの風のなかで」を担当されてきたフリー・ジャーナリストの木村文さん(現在は、カンボジアの生活情報誌「NyoNyum(ニョニュム)」の編集長でもあります)が、その第30号(2012年冬)のエッセイのなかで、「伝統の森」を訪れた印象を記されています。
 20年近く前に、新聞社の新人記者として取材に訪れた山形県のとある地方での記憶と絡めて森本さんの「伝統は守るものではない」という言葉を取り上げつつ、ごく最近のIKTTの活動と「伝統の森」の様子、そして森本さんが考えをあたためつつある“次のステップ”の構想にまで言及されています。
 最近、とても忙しく動き出している森本さんの考えの一端をうかがい知ることのできる、とてもいい記事だと思います。ご興味のある方は、ぜひともご一読ください。

【書誌データ】
書名:『季刊東北学』(第30号/2012年冬)
発行所:東北芸術工科大学 東北文化研究センター
発売:柏書房
発行:2012年2月1日
定価:1905円(+税)
ISBN:978-4-7601-4085-5 C0039

2012-02-23

2月28日、NHK-BS1「地球テレビ エル・ムンド」でクメール絣が紹介される予定です

NHK-BS1「地球テレビ エル・ムンド」において、火曜日担当のナビゲーターで、カンボジアに何度も訪問されているコラムニストの中村孝則さんが、クメール絣の魅力について語られるコーナーが予定されています。放送は、2月28日(火)の23時からです。

2012-02-18

2月21日-4月1日、福岡市美術館「カンボジアの染織」展のご案内

2月21日(火)から4月1日(日)まで、福岡市美術館の古美術企画展示室において企画展「カンボジアの染織」が行なわれます。
 福岡市美術館は、2003年の秋に特別企画展「カンボジアの染織」を開催されました。このときは福岡市美術館所蔵のピダンをはじめとしたカンボジアの絹絣を中心に、絞り染めの布と紋織、そして参考資料を含め、100点ものすばらしい布の展示が行なわれ、その多彩な布たちには、目を見張るものがありました(その詳細な内容は、福岡市美術館刊行の図録「カンボジアの染織」でご確認ください)。
 この2003年の特別企画展の際は、すでにシエムリアップのCKSホールでのIKTTの企画展が先行して開催されていたため、IKTTの絣布の展示はされなかったのですが、会場ではIKTTスタッフによる括りと織りの実演と、森本さんの講演が開催されました。
 今回は、現在カンボジアで行なわれている伝統的な絹絣の再生と復興に光をあてるとのことで、アンティークの絣布と復元された絣布があわせて展示されます。そして、今回の展示では、IKTTで復元された絹絣も、制作年の異なる2枚が展示される予定とのこと。
 このような、新旧の絣布を同時に目にする機会は、専門家であっても、なかなかチャンスのないことだと思います。ぜひとも会場に足を運び、ご自身の目で見比べてみてください。